日経平均株価が、じわりじわりと上昇を続けている。
2017年末の勢いそのままに、2018年の年初から大幅な値上げを続け、1月上旬には戻りのメドとも言われる節目の2万3000円を軽くクリア。1991年11月以来、なんと26年ぶりに23,500円台に乗せた。

その後は下落し、調整局面に入りながらも6月21日現在では2万2693円をつけている。
昨年2017年5月末の日経平均株価の終値が1万9650円だったのと比較すると、約1.14倍の値上がりだ。

リスクをできるだけ避けたい投資ビギナーの救世主?!「分散投資」とは?

徐々にであるとはいえ、株価が上昇傾向にあると少しでも有利に運用したい。自分も相場の波に乗らねば(「今、参加しないと儲け損なうぞ」と投資家を急かす意味で‘バスに乗り遅れるな’とも言われる)と考える人たちも増えてくる。

とはいえ、リスクのある金融商品に投資して、資産が目減りしてしまうのも怖い。そんな投資ビギナーにとって有効な投資手法が「分散投資」だ。分散投資とは、投資する場合、1つの資産に集中して投資するのではなく、性質が異なる複数の資産に分散して投資すること。

日本でも「資産三分法」(一般的に「現金」「土地」「株式」)という考え方は以前からあったし、投資のテキストなどに載っている「卵を1つのかごに盛るな」などといった欧米の格言をご存じの方も多いだろう。

「分散投資」はリスクを軽減させる効果がある

20年前、私が駆け出しのFPであった当時と比べると、ずいぶん分散投資という言葉も浸透してきたような気がする。その一方で、正しく分散投資を実行できている人というのも少ないのではないかとにらんでいる。

分散投資のメリットは、色々な資産に投資することで、リスクを軽減させる効果があるという点だ。例えば、同じ株式でも、輸出型企業と内需型企業を組み合わせる。国内の資産だけでなく、海外の資産にも投資するなど、それぞれの資産の価格の動きが打ち消し合ってくれる。

つまり、特定の保有銘柄がマイナスになっていたとしても、資産全体がプラスであれば良いわけである。

これってホントに「分散投資」?

ところが、資産運用についてご相談にいらっしゃるお客さまの中には、取引先の証券会社の「契約内容のお知らせ」(取引明細書)を手に、「この銘柄だけマイナスなのが、すごく気になります!売却した方が良いですか?」と質問に来る。

このような方の場合、往々にして、「(マイナスになっている)この銘柄だけ、証券マンに勧められたのですよ!それ以外は、自分で選びましたけれどね」と、自分の銘柄選びは間違っていないハズだと主張する。

分散投資の考え方からすると、値動きの異なる資産を組み合わせるのがセオリーなのだから、ある時点でマイナスの資産(銘柄)があるのは当然のことともいえる。

また、こんなお客さまもいる。同じく明細書を示しながら、「分散投資が大切だって聞いたので、たくさんの銘柄に分散させています!」と胸を張るのだ。

しかし、よく見てみると、銘柄が異なっているだけで、投資対象はすべて海外の株式ファンド(おもに新興国ばかり)だったりする。これでは、意味のある分散投資とは言えない。