◆積もり積もったイライラが爆発して離婚寸前に

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 結婚からしばらくして、ことみさんは度々夫にキレるようになりました。案の定Hさんの余計な一言が原因となり、喧嘩へ発展する回数が一気に増えたのです。

 自分は家事をほとんどしないのに「掃除、行き届いてなくない?」と言ったり、「“思ったより”大雑把なとこあるよね」とケラケラ笑ったり、ご近所付き合いを盛んにしていると「いいんじゃない。まぁ僕はお隣さんちょっとニガテだから仲良くしたくはないけど」と言わなくてもいい一言を付け加えられたり。

 カチンとくる度に怒りが抑えられず、結婚3年目で雲行きが怪しい状態に……。関係の崩壊が危ぶまれる中タイミングよく妊娠が発覚。娘の誕生をきっかけにもつれた糸がほどけ始め、夫婦としての再スタートを切りました。

 しかし、安堵したのも束の間。仕事に育児に忙殺される日々ですから、ことみさんは精神的に余裕がなくなってしまいます。慌ただしい毎日を送り、休む暇もなかったため、何気なく発したHさんの言葉を無視することができませんでした。

「〇〇(娘)ちゃんはパッチリ一重だねー。パパは二重だから、ママに似たのかな?」

 子どもをあやす際に聞こえた声――。わざわざ言わなくてもいいことを口にする夫に彼女はブチギレ! 今までの不満や怒りが大爆発した瞬間です。

「向こうは何のつもりもなく言ったんでしょうけど過去の蓄積分もあるし、なんだかマウントを取っているみたいで妙にムカついて……。心が狭いかもと思いながら、つい声を荒らげて怒鳴ってしまいました。ダンナもビックリして“何だよ”みたいに反論してきましたが気持ちが鎮まらなくて。本当に心の余裕がなかったから、あの頃は些細なことでも妙にイライラしたんです。

 この一言をきっかけに、娘を連れて勢いで実家に帰省。両親は優しくて“気が済むまでウチにいなさい”と声を掛けてくれましたが、頭の中では離婚の二文字がぐるぐると巡っていましたね……。今後も彼と生活できる自信がありませんでした」