同番組が「間違いでは」と疑われる情報を紹介したのは今回が最初ではない。

 2020年10月には、「スーパーで売っている野菜が同じ大きさなのはなぜ?」という疑問に対し、チコちゃんは「F1だから」と回答。「F1種」という形のそろいやすい品種を使っているからという意味だ。ところが、これにネット上などで現役の農家から不満の声が続出。「F1種は質がそろいやすい」というのは事実だが、自動的に大きさがそろうわけではなく、収穫時期や生育具合によって不ぞろいになることも多々あるという。農家はちょうどいい形や大きさになる時期に収穫し、その中から出荷規格に沿って形や大きさがそろっているものを選り分けるのだ。ある意味、生産者の努力や労力を無視するかのような内容だったため、全国紙に抗議の投書をする農家の人もいた。

 2020年8月の放送では「肉じゃが」の起源について、「東郷平八郎が留学中に食べたビーフシチューを忘れられず、それを日本で手に入る食材で再現させたのが肉じゃが」という説が紹介された。だが、これについては、Twitterなどで食文化情報を発信している「近代食文化研究会」のアカウントが、東郷平八郎ゆかりの京都府舞鶴市の街おこしを手がけた男性による「創作」だと指摘。男性本人も毎日新聞のインタビューなどで事あるごとに創作であると公表していたといい、SNSで番組への多くの批判が飛び交った。