◆三男、道長の悩み

NHK大河ドラマ『光る君へ』第15回
道隆(井浦新)は身内びいきの人事を行い、道綱(上地雄輔)は自分の頭で考えて仕事をしない。そんな状況に道長は頭を抱える。これでは周りの者たちの気持ちは離れていくばかり。回を追うごとに道長の表情が少なくなっていっている気がするのだが。

そんな中、道兼(玉置玲央)が藤原公任(町田啓太)の屋敷に居座っていることが分かる。父には利用され捨てられ、妻も子も自分を見捨てていった。道兼が頼れるのは、自分に懐いていた公任だけだった。

もちろん、公任も出世のためだったのだけれど、道兼としては分かっていても、自分を大切にしてくれる誰かのもとに身を寄せたかったのかもしれない。

そんな道兼を説得しに行く道長。すべてを諦めようとしている道兼をどうにか立ち直らせようとする。

小さいころは難癖をつけられ、愛した女性の母を殺した男だとしても、道長は懸命に道兼を説得をする。もう父はいない、好きなように生きていい、兄には今世で幸せになってほしい……。道長、すごいな、と思ってしまう。権力に魅せられた人たちばかりだから、人の心を動かそうとする姿に胸を打たれるのかもしれない。

それにしたって、内裏に味方が少なすぎるのでは? と考えると道長の心労、いかに。