所得によって人気の趣味が異なることが、米国労働統計局のデータ分析から明らかになった。
高所得層はエクササイズ系のスポーツや美術品・演劇といったアート系の趣味を好むのに対し、低所得層はテレビ鑑賞やリラクゼーションなど自宅での時間を趣味に費やす傾向が強い。
所得層と趣味の意外な組み合わせもあり、興味深い。
年間世帯所得15万ドル以上のお金持ちに人気の趣味NO.1は?
visualcapitalist.com2017年7月6日の記事によると、調査はデータ・サイエンティストのヘンリック・リンドバーグ氏が、米国労働統計局によって2003~15年にかけて収集した様々なデータを分析したものだ。 データは米国人による時間の利用の仕方を調査する目的で収集された。
分析結果では、8つの異なる所得層が好む50種類の趣味の割合をグラフ化している。年間世帯所得の中央値は5万ドルで、大まかに分けると5万ドル以下の世帯は低所得層、それ以上の世帯は中・高所得層という定義だ。ここでは15万ドル以上の世帯を高所得者層とする。
お金持ちというとゴルフやヨット、美術品コレクションなど、お金のかかる趣味を想像しがちだが、意外なことに年間世帯所得が15万ドル以上のお金持ちに最も人気の趣味は、まったくお金がかからない「ランニング」。確かにヘッドフォンで音楽を聴きながらランニングしているハリウッドセレブの姿が、頻繁にパパラッチされている。所得5万ドル以上の層でランニングを趣味をしている人は多い。
ほかにはバトミントンやテニス、スカッシュを含む「ラケットを用いるスポーツ」、カーディオ・マシンを使う「フィットネス」「ヨガ」など、エクササイズを趣味にしている高所得層(年間世帯所得が15万ドル以上の層)が多い。モータ—式では運動量はそれほどでもないだろうが「ボート」も人気だ。ゴルフを趣味とするお金持ちも多いが、ゴルフは、所得別で見ると年間所得5万以上7.5万ドル以下の層に最も好まれている。
スポーツ観戦 についてでは、低所得層とは対照的に、高所得者層は「野球」よりも「バスケットボール」を好む。
演劇・音楽などの「舞台芸術」や「美術館」といったアート系の趣味も根強い人気を維持している。
「テレビ鑑賞」「ラジオ視聴」「たばこ・ドラッグ 」「リラクゼーション」などを趣味にしているお金持ちはほとんどいない。
年間世帯所得5万~15万ドルの層に最も人気の、意外な趣味とは?
年間世帯所得が5万ドル以上15万ドル以下の層に人気が高いのは「ソフトボールをすること」や「バレーボールをすること」。「ゴルフ」や「ランニング」「ボート」を含む高所得層に人気のスポーツも好まれるが、この層はほかに「自転車」「ボーリング」「水上スポーツ」などを趣味にしている割合も高い。
「野球」「バスケットボール」の観戦は同じぐらい人気で、アート系の趣味、特に舞台芸術を楽しんでいる。
年間所得15万ドル以上の層と同じく、テレビやラジオ、たばこなどには関心が薄い。
所得層によって健康管理に対する意識に差?
低所得層の趣味はどんなものが多いのか?年間所得5万ドル以上の層には不人気のテレビやラジオ、たばこ・ドラッグ、リラクゼーションが最も一般的な趣味だという。特に「テレビ鑑賞」は圧倒的な人気で、映画やバラエティー、ドラマよりも宗教関連の番組を観ている低所得層が非常に多い。
「ゴルフ」や「ランニング」「ヨガ」など中・高所得層が好むスポーツを趣味にしているのは少数派。「サッカー」「ビリヤード」「野球」「バスケットボール」を自分でプレーする。スポーツ観戦や「ウィンタースポーツ(スキー、スノボ等)」「エアロビクス」などはあまり人気がない。前述したようにランニングはお金のかからない趣味であるため、所得だけが嗜好の差に影響しているとは考え難い。この辺りは健康管理への意識レベルが影響するのではないだろうか。
アート関連では美術館や舞台のためにお金を費やすよりも、自分でクラフトをしたり楽器を演奏・視聴するパターンが多い。
すべての所得層に愛される趣味
すべての所得層にまんべんなく支持される趣味もある。「野球・バスケットボール・サッカーのプレー」「ローラーブレード」「F1などのレース観戦」「執筆活動」「釣り」「コイン・切手などのコレクション」「ゲーム」「音楽演奏・視聴」「ギャンブル」などだ。
高所得層は肉体的に負担の少ない職についているケースが多く、自由時間を好きに楽しむ経済的・精神的・肉体的余裕がある。しかし低所得層は肉体にも精神にも負担の多い職についているケースが多く、その分自由時間は自宅でのんびり過ごしたり、たばこなどでストレスを発散する傾向が強い。そうした差が趣味に反映されているのかもしれない。
文・アレン・琴子(英国在住フリーランスライター)/ZUU online
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