日本を代表する温泉地のひとつ群馬県・草津温泉。宿泊する宿は決まっているけど、湯畑や露天風呂、湯もみ体験のほか、どこに行けばいいのかわからない・・・。そんな草津温泉を初めて訪れる方でも十分観光やグルメを楽しめる、筆者考案の観光モデルコースをご紹介します。
草津温泉ってどんなところ?
草津(くさつ)温泉 は、長野県の県境近くにある火山・草津白根山(くさつしらねさん)の中腹、標高1,200メートルに位置する温泉地。古くから湯治場として知られており、 ヤマトタケルノミコト や、草津温泉を発見したといわれている 源頼朝(みなもとのよりとも) など、数多くの偉人や著名人が訪れています。
町のシンボルである 湯畑(ゆばたけ) を中心に温泉旅館やホテル、飲食店、お土産店などが集まっており、徒歩で散策できます。8月の平均最高気温も25℃以下と涼しいほか、冬も雪が多く、白根山の近くにある 「草津温泉スキー場」 では、スキーやスノボも楽しめます。
湯畑近くにある老舗温泉旅館 「奈良屋(ならや)」 をはじめ、江戸時代から湯治宿(とうじやど)が立ち並んでいます。徳川将軍へ温泉が献上されたこともあり、江戸時代に発行された 「温泉番付」 では、 東の大関 として常に最高位にランクされています。泉質は 強酸性 。殺菌力も抜群で、 「薬湯」 といわれるほど、様々な病気やケガに効能があるといわれています。
草津温泉までは基本車で行けますが、免許を持っていない方でも電車と路線バス、高速バスでもアクセスできます。電車の場合、上野駅から 「特急草津」 で約2時間20分、 長野原草津口(ながのはらくさつぐち)駅 で下車した後、バスで約25分、草津温泉バスターミナルに到着します。
また バスタ新宿 からも直通の高速バス 「上州(じょうしゅう)ゆめぐり号」 で行くことができ、約4時間40分で到着。1日9往復運行しています。
【1日目】草津温泉のシンボル「湯畑」とその周辺を散策
12:00 草津温泉バスターミナルに到着
ここからは筆者考案の観光モデルコースをご紹介します。
東京から長時間電車やバスに揺られた後、草津温泉の交通の要である 「草津温泉バスターミナル」 に到着。バスターミナル内には、飲食店やお土産店があるほか、3階には資料館も併設する 「温泉図書館」 があり、観光情報も収集できます。
12:10 湯畑近くのお宿で荷物を預ける
バスターミナルに到着したら、宿泊先に立ち寄って荷物を預けに行きましょう!今回筆者が宿泊したのは、湯畑の近くにある温泉旅館 「草津温泉 源泉一乃湯(げんせんいちのゆ)」 。2019年8月にオープンしたお宿で、街なかで食事を思い思いにとれるよう、素泊まりでの滞在スタイルを提案しています。
12:30 足湯に入りながら食事ができるレストラン&カフェ「湯川テラス」でランチを堪能!
荷物を預けて草津温泉のシンボル「湯畑」周辺を散策する前にランチを食べましょう!今回ご紹介するお店は、湯畑から少し歩いたところにあるレストラン&カフェ 「湯川(ゆかわ)テラス」 。老舗旅館「奈良屋」の姉妹館として2020年4月にオープン。奈良屋の料理人が監修する料理を、テーブル席やテラス、さらに足湯に入りながら楽しめます。
また 宿泊施設 も併設しており、宿泊できるのは 1日2組限定 。部屋では、湯畑から引き込んだ温泉のお風呂に入ることもできます。
レストラン&カフェでは、群馬県の食材を使った料理やカフェメニューを提供。おすすめの一品は、江戸時代中期以降から庶民の味として親しまれている 「おっきりこみ」 。麺が太いですが、ツルっとしていて汁や具材との相性は抜群です。定番の醤油や味噌のほか、豆乳やスパイシーカレー、坦々、さらに温玉をトッピングしたカルボナーラとして味わえます。
またデザートも充実しており、群馬県の地名をイメージしたスイーツを提供。中でも 「茶釜(ちゃがま)」 は、草津温泉の西の河原(さいのかわら)公園内にある源泉 「鬼の茶釜」 をイメージしたソフトクリーム。草津温泉の特産品のひとつ 「花豆」 や抹茶、きなこ、あんこのほか、湯もみで使われる板をイメージした最中がトッピングされています。
13:30 草津温泉の源泉湧出地「湯畑」を散策
ランチを堪能した後は、草津温泉のシンボル 「湯畑」 を散策しましょう!草津温泉には主に6つの源泉がありますが、湯畑は毎分約32,000リットル以上もの温泉が自然に湧き出しており、湧出量は日本一を誇ります。周りは遊歩道が整備されており、ひょうたんのようなデザインとなっていますが、大阪・太陽の塔を手掛けた画家・ 岡本太郎 がデザインしました。
見どころのひとつが 「湯滝(ゆたき)」 。湧き出た湯が木桶を通って滝壺へと流れ落ち、滝壺の湯はエメラルドグリーンに輝き、観光客を中心に撮影スポットとして人気を集めています。
また湯畑には、7つの木製の桶 「湯桶(ゆおけ)」 があります。草津温泉の特産品 「湯の花」 を採取するために設置されており、町内にある土産店などで販売されています。
さらに、江戸幕府8代将軍・徳川吉宗(とくがわよしむね)に献上した温泉を汲み上げた木の枠があるほか、石の柵には草津温泉を発見したと伝えられている源頼朝や、源平合戦で活躍した武将・木曾義仲、歴代の内閣総理大臣など、草津を訪れたといわれている偉人・著名人の名前が刻まれています。
また足湯もあり、湯桶の近くには屋根付きの 「湯けむり亭」 があるほか、湯滝の近くには 「滝の湯」 もあり、24時間利用することができます。散策でひと息つけたい方は、ぜひ立ち寄ってみては。
【1日目】湯畑近くのお寺&共同浴場で身も心もチャージしよう!
13:45 草津の街を見守る「光泉寺」を参拝
湯畑を散策した後は、近くにあるパワースポットを参拝しましょう! 「光泉寺(こうせんじ)」 は、兵庫・有馬(ありま)温泉の「温泉寺(おんせんじ)」、石川・山中温泉の「医王寺(いおうじ)」に次ぐ、日本三大温泉薬師のひとつといわれている寺院。奈良時代、東大寺の大仏開眼に貢献した僧・行基(ぎょうき)が開基したと伝えられています。
石段を上がったところにある 本堂 には薬師如来が祀られているほか、近くの 釈迦堂(しゃかどう) には、 「遅咲き如来(おそざきにょらい)」 と呼ばれる御本尊が祀られており、地元の方を中心に信仰を集めています。また社務所では 「遅咲きのお守り」 (700円)を取り扱っており、これからもうひと花咲かせたい方の願いが叶えられるといわれています。
14:00 2種類の源泉でリフレッシュ!「御座之湯」
光泉寺を参拝した後は、温泉に入ってリフレッシュをしましょう!湯畑の近くにある 「御座之湯(ござのゆ)」 は、明治時代まで存在していた共同浴場を再現した入浴施設。ここでは、 外出用浴衣のレンタルサービス (入浴付き・3時間2,500円)が利用できます。
また「御座之湯」と 「西の河原(さいのかわら)露天風呂」 、 「大滝乃湯(おおたきのゆ)」 の3つの立ち寄り温泉施設で使えるお得な 「ちょいな三湯めぐり手形」 も販売しています。
御座之湯は内湯のみですが、2種類の源泉を引いた温泉に入浴できます。 「湯畑源泉」 と 「万代源泉」 からの掛け流しの湯となっており、神経痛ややけど、美肌などの効能があるといわれています。また御座之湯の近くには、 「白旗(しらはた)源泉」 が湧出しており、見学できるので、ぜひチェックしてみて。
温泉を満喫した後は、2階にある畳敷きの 大広間 へ。窓越しから湯畑全体を見渡せるほか、心地よい風を感じながら、ひと息つけられますよ♪