料理ドヘタな崖っぷちアラサーが、生活の中で必要に迫られ料理に挑むマンガ『すみれ先生は料理したくない』が今かなりおもしろい! 料理嫌いなすべての人たちに読んでほしい、共感度100%の新感覚クッキングコメディマンガです。

「料理できなくて何が悪い!」人気漫画家がワンオペ家事をやめるまでの長い葛藤
(画像=『女子SPA!』より引用)

作者はドラマ化もされた『人は見た目が100パーセント』や『節約ロック』などの人気マンガ家・大久保ヒロミ先生。本作はスマホ向けコミックサイト『マンガよもんが』で連載中です。

簡単レシピは全然簡単じゃない

 主人公の白雪すみれは、溢れ出る品格とその美貌に誰もが憧れるピアノ教師。けれど実生活は常に金欠ギリッギリ、彼氏もいない独身アラサー街道まっしぐら。

 そして破滅的に料理ができないすみれ先生の前に、毎話“料理”という名の壁が立ちふさがり、いつも全力でカラ回り。すみれ先生の魂の叫びが歌となって綴られますが、これがもう料理嫌いには共感しかない! 料理嫌いにとっての簡単レシピって全然簡単じゃないんですよね。

「料理できなくて何が悪い!」人気漫画家がワンオペ家事をやめるまでの長い葛藤
(画像=『女子SPA!』より引用)

大人になれば、結婚すれば自然にできると思ってた

――この作品はどのような発想で生まれたのでしょうか。

大久保ヒロミ先生(以下、大久保)「友達と『流行っているしグルメ漫画でも描こうかな』という話をしてたんです。だけど『グルメはいいけど、料理は好きなのか?』っていう話になって、『好きじゃないわ』と。それならいっそ、料理をしないグルメマンガにしようとなったんです」

「料理できなくて何が悪い!」人気漫画家がワンオペ家事をやめるまでの長い葛藤
(画像=『女子SPA!』より引用)

――すみれ先生のモデルは、ご自身なのですか?

大久保「ある部分ではそうです。結婚して20年になるんですけど、ずっと昭和脳だったから『自分が家事を全部やらなきゃいけない』という気持ちがガチガチにあったんです。10年以上、ワンオペ育児をやっていて、もちろん料理も家事も全部。料理や家事って『難しいことだ』って誰も教えてくれないじゃないですか。大人になれば、結婚すれば自然にできるとか言われていたし、そう思っていたんです。

 でも常にすごいストレスを感じているわけですよ。そのストレスがなんなのか気づかないまま、忙しさに追われて時が流れちゃったんですよね。みんなもこの程度のストレスを抱えながら頑張っているはずで、それができない自分がすごいダメ人間ってことになると思い、直視したくなかったんだと思う。

 でもママ友や主婦の方と話していると、同じようにストレスを抱えている人もいるけど、私ほどではない人もいる。そこで、もともとの能力に差があるのかな?って思ったんです」