さらに水原容疑者は通訳の立場を悪用し、日本語を話せない大谷の会計士らに「大谷があなたたちの口座へのアクセスを拒否している」と虚偽の説明をして、金の流れが外部にわからないようにしていた模様。捜査当局は、水原容疑者が大谷のふりをして、送金を許可させるために銀行に電話した時の音声を入手しているという。

 捜査当局は、大谷が会見で話した「まったく知らなかった」という主張は「正しかった」とし、大谷は完全な被害者であるという見方を示している。

 当初、水原容疑者が大谷の口座から盗んだのは450万ドル(約6億9000万円)ほどとされ、借金額もそれに近いとみられていた。

 ところが、水原容疑者の“負けっぷり”は予想をはるかに上回っていた。当局発表を基にした現地報道によると、水原容疑者は2021年から今年の1月まで1日に数十回、1回あたり平均で1万2000ドル(約184万円)以上を違法賭博に賭けていたといい、累計で1億4000万ドル以上(約214億円)は勝ったが、1億8000万ドル(約276億円)以上も負け、差し引き4060万ドル(約62億円)の借金を作ったという。また、水原容疑者のメールの内容から暗号資産(仮想通貨)でも大損していた可能性が浮上している。