「ライトホラー」という新ジャンル

 本作を撮ったのは、TVドラマを数多く手掛けてきた石川淳一監督。劇場公開作としては、古沢良太脚本の『エイプリルフールズ』(15年)や『ミックス。』(17年)などの「笑えないコメディ映画」を残してきました。今回も「怖くないホラー映画」となっています。いや、ホラー映画というよりは、心臓が弱いお客さんにも配慮し、みんなが安心して楽しめる「ライトホラー」という新ジャンルなのかもしれません。

 名探偵・金田一耕助役で一世を風靡した石坂浩二は、どの場面に出ていたのか気づかないほどまったく無駄な起用です。クライマックスでベテラン女優の根岸季衣がチェンソーを振り回すシーンは、客席から失笑が起きていました。高嶋政伸演じる清次も、原作に比べて単純化されたキャラクターになっています。

 アリ・アスター監督の新感覚ホラー『ミッドサマー』(19年)や「罰金2000円 懲役3時間」とSNS上で騒がれた『ボーはおそれている』(23年)に比べ、ずいぶんと志の低い映画だなぁと感じてしまう次第です。

 それでも、若い世代は映画化された『変な家』が気になり、友達を誘って映画館に足を運んでしまうわけですよ。何が気になるのかと言えば、やっぱり一家にかけられた“呪い”の正体じゃないですか?