そして児嶋も数年後、「児嶋だよ!」を武器にイジラレキャラとしてテレビの世界に飛び込んでいく。
チョコレートプラネットのブレークもまた、練り上げられた本ネタとはまるで毛色の違うIKKOと和泉元彌のモノマネがきっかけだった。シソンヌ・長谷川忍はショーパブ時代に培ったMC力とコミュニケーション能力で番組を獲得し始めている。一方のじろうは舞台で、井口の言う“作品”にこだわり続けている。その先には、「ライブだけで食っていく」という夢物語を実現した東京03がいる。
結局のところ「売れるためには」というテーマ自体が、もう古びてしまっているのだ。芸人が好きなことをやって金を稼ぐ手段は、すでにテレビで売れることだけではなくなっている。
そんな時代に、貪欲に「テレビで売れたい」と公言するカミムラの姿が、新鮮に映ったのもまた事実である。
(文=新越谷ノリヲ)