16日放送のTBS金曜ドラマ『不適切にもほどがある!』は第4話。もう10年も20年も前の話だから今は違うのかもしれないけれど、取材か何かでクドカンが言ってたことがあるんです。

 自分は書かせてもらえない時期が長かったから、書かせてもらえる仕事は断らない。

 さすがに今は国内屈指の人気脚本家先生ですから全部のオファーを受けるなんてことは物理的に不可能でしょうけど、今回を見てなんとなく思い出したんです。そういえば、あんなこと言ってたな、クドカン。

 前回のレビューで、このドラマは作劇にかける情熱とメッセージ部分にかける情熱が、あまりにかけ離れているように見えると書きました。ここで言う作劇とは「面白い」を作ることで、メッセージとは「時代による文化・風俗の変遷と、その是非を問うこと」です。「面白い」にはとことん真剣に取り組んでいるけど、「文化・風俗の変遷とその是非を問う」については、懐かしい(昭和)&目新しい(令和)ガジェットだけ登場させてテキトーに済ませている。今回、特にそう感じました。