◆破壊と再生、二次元と三次元を行き来する、禍々しく不気味な悪夢

 なんといっても独特なのが、見たこともないような斬新なストップモーションアニメの表現。素材の質感が生々しい部屋の壁や人形の上に塗り重ねられた姿絵がドロドロと溶けるように破壊と再生を繰り返し、ある時は手描き、ある時は紙やクレイと、様々な素材でもって二次元から三次元を自由自在に行き来する様は圧巻。

映画『オオカミの家』
『オオカミの家』© Diluvio & Globo Rojo Films, 2018
 終始流れ続ける虫の羽音や吐息のような不気味な音も相まって、逃げ出した後も少女の心を支配し続けるコロニアの恐ろしさが存分に伝わってくる。