◆夫の裏切りを乗り越え、夫婦は再構築できるのか

 泣き濡れる昂太を優しく抱き留める陽子。その脇に息子もやってきて、陽子はふたりの男をそれぞれの腕で抱く。そして彼女は決断するのだ。「夫とやり直そう」と。

 自らの預金も学資保険も理央に貢ぐために奪われ、家まで抵当に入っていたのに、やり直そうと思える陽子の胆力がすごい。ふたりの歴史、家族の歴史が、昂太の母が亡くなったことで蘇ってきたのだろうが、「陽子さん、甘い。クズ男はクズのままだよ」と言いたくなってしまう。

 果たして陽子たちは、本当にやり直すことができるのだろうか。