──歴史エッセイスト・堀江宏樹が国民的番組・NHK「大河ドラマ」(など)に登場した人や事件をテーマに、ドラマと史実の交差点を探るべく自由勝手に考察していく! 前回はコチラ

 『どうする家康』第43回「関ヶ原の戦い」で個人的にもっとも注目させられたのは大坂城の茶々(北川景子さん)でした。三成(中村七之助さん)をけしかける一方で、家康に「治部(三成)が勝手をして怖くてたまらないから、なんとかしてほしい」という手紙を送っていたので、てっきり家康と三成をぶつけさせ、漁夫の利を得ようというつもりなのかと思っていたのですが、関ヶ原では完全に三成の味方だったようです。

 茶々は、想定していた以上に「戦乱を求むる心」を強く持っていた三成が武将として急成長する姿を見て、彼に打倒家康の望みを託してみたくなったのかもしれません。茶々は本気で秀頼(重松理仁さん)を出陣させようとも思っていたようですが、毛利輝元(吹越満さん)をはじめとする諸将が思ったようには動いてくれず、怒りをあらわにして輝元の頬を“裏拳ビンタ”するシーンはすごかったですね。次回からは、茶々自身が「ラスボス」として家康の前に立ちはだかるさまが描かれていきそうです。