いまだに謎の存在であるテント。国際テロ組織だとされているが、その目的はいまだに謎のままだ。テントの会議のシーンで今年度の総収益が7億3870万ドル(約1000億円)と報告されており、どこ国の諜報組織も実態を掴めていないほどの存在であるにもかかわらず、かなり規模の大きい組織であることがわかる。乃木卓は元警視庁の警官で、農業使節団としてバルカに渡ったという。「リーダーの最後の標的は日本」ということは、警視庁時代に何かがあり、日本を恨むようになったのだろうか。
また第5話では乃木の母親・明美(高梨臨)も「ずいぶん前に亡くなった」もののある時期まで生き残っていたらしいことも判明した。となると、リーダーのノゴーン・ベキ=乃木卓を「お父さん」と呼ぶ、二宮和也演じる謎の人物が乃木の実弟にあたるという可能性も高い。乃木父子、そして乃木兄弟の対決が本作の一番の山場となりそうだ。
しかしこうなると気になるのは、別班の司令である櫻井里美(キムラ緑子)からも「奇跡の少女」と呼ばれていたバルカの少女・ジャミーン(Nandin-Erdene Khongorzul)のことだ。第1話ではノゴーン・ベキが、ジャミーンの父・アディエル(Tsaschikher Khatanzorig)の死のことを二宮和也演じる謎の人物から聞かされ、生き残ったジャミーンのことを「またひとりにさせてしまった」と気にかけていた場面もあった。アディエル、ジャミーンの父子にはテントと何らかの関わりがあるとみられ、特にジャミーンは物語のカギとなりそうだ。乃木は心臓の手術を受けるジャミーンのために1470万円を寄付していたが、ただ単純にジャミーンへの愛情からの行動ではなく、ジャミーンを生かしておく必要があるからではないか。ジャミーンがバルカではなく日本にいることが、テントを追う乃木や野崎たちにとって今後、重要な要因となっていくかもしれない。