今回の脱退騒動は、同じ5人組で香取慎吾、草なぎ剛、稲垣吾郎の3人が退所することになったSMAP解散騒動(のちに中居正広も独立)との類似がよく指摘される。しかし、SMAPの時は解散までの期間にどんどんグループでの活動が減り続け、さよならコンサートどころか『NHK紅白歌合戦』への出演すら実現せず、外部から見ていても明らかにメンバー間に不穏な空気が漂っていた。

 それに比べると、King & Princeは昨年末に『紅白』をはじめとした音楽番組に多数出演し、年が明けてからも4カ月連続リリースや新ビジュアルの公開など新たな動きが盛りだくさんだ。もちろん、事務所側の「ビジネス的な判断」という理由もあるだろうが、もしメンバーたちが不仲であれば実現は難しかっただろう。特に年末の音楽番組で見せた圧巻のダンスは大きな反響を呼んだが、メンバーに確執があれば満足な練習ができず、あれほどピタリと振り付けを合わせることはできなかったはずだ。

 メンバー脱退の理由に関してさまざまな憶測が流れているが、こうした状況を見れば「不仲説」だけは絶対にないと断言できそうだ。だからこそ、メンバーたちは前を向いて悔いのない5人の時間を過ごすことで、ファンを楽しませようとしているのかもしれない。ファンも複雑な気持ちを抱えつつ、メンバーたちの思いに応えて応援の声を強めていくに違いない。