「キングオブう大」の最大の特色は、出場者と審査員・う大の真剣なやり取りにある。ネタ披露中には緊張感が漂い、終了後のう大の寸評に対しては、メモを取る者もいれば、涙ぐんで喜ぶ者もある。う大の寸評の内容も、ネタ作りの裏側にある書き手の心の動きを推察したり、微妙な妥協点を指摘したりと、特にネタを作る側の芸人に深く刺さるアドバイスとなっている。「キングオブう大」が多くのファイナリストを輩出しているとまでは言わないが、確かにう大のアドバイスが効いているのだろうと思わせる空気が、スタジオを包んでいるのだ。

 そのほか、今月『水曜日のダウンタウン』(TBS系)で放送された「スベリ-1GP」は不遇のベテランに露出の機会を与え、『ナインティナインのオールナイトニッポン』(ニッポン放送)の年末恒例企画「岡-1グランプリ」は今年も全組優勝としながら、インパルス・堤下敦をフックアップし続けている。

 こうした派生賞レースは、始まりは単なるパロディ企画だろうが、回数を重ねるにつれて、それぞれの役割が明確になっていくように見える。今年初開催だった「マルコポロリ-1グランプリ」は、今後どんな役割を抱いたコンテストになっていくのだろうか。いや、あれはどうにもならないか。

(文=新越谷ノリヲ)