そうなってしまった背景だが、そもそも、生前から猪木氏のビジネスにおける“三種の神器”にはそれぞれ単価があり、猪木氏以外は不可侵が暗黙の了解。それを中嶋があっさりと破ってしまったためにこういう事態に陥ったというのだ。

「まず、『1、2、3、ダー!』は10万円、数々の公の場でくらわせた『闘魂ビンタ』は100万円。そして、1998年4月4日の東京ドームにおける引退試合の退場時に初めて公の場で朗読した『道』というタイトルの詞の使用は300万円が相場と言われていました。本人が行うことでその金額ゆえ、他人がそれをやったらもっとふっかけられても仕方ないでしょう」(格闘技業界関係者)

 どうやら、〝猪木イズム〟を口にして継承するには、それなりに金がかかりそうだ。