お次は今週の最後の記事。

 先週の文春は、宝塚の演出家が、演出助手の若い女性にセクハラを繰り返していたと報じ、その演出家は宝塚から排除されたようだが、今週も文春が、宝塚の男役、2017年から宙組のトップスターに君臨している真風涼帆が、相手役の娘役に陰湿なイジメをしていたと報じている。

 真風は、175センチの高い身長を生かした迫力あるダンスで、「男役をするために生まれてきた」と評されているという。2015年に星組から宙組へ組替えして、2017年にトップスターに抜擢され、その座を守っているという。

 そこに、相手役の娘役として迎えられたのは星風まどかで、大豊作といわれる百期生の中で最も早くトップの娘役になったという。

 だが、この男役と娘役には宝塚独特の関係性があるというのだ。

「上級生、下級生という立場に加え、“昭和的”な夫婦像のように、娘役は一歩下がって男性を立てることが美徳とされている。公演終了後にはタイミングを見て、トップ娘役はトップスターに悪いところがなかったか『お伺い』に行く。公演間の休憩時にはトップスターに呼び出され『ご注意』を受けることも。たとえそれが理不尽であっても、娘役は『はい』と聞くことしかできません」(宝塚ファン)

 これでは「女性差別」だといわれても仕方あるまい。だが、ここは女の園、女が女を差別するとは、実社会より遅れているといわざるをえない。

 さらに、トップ同士の絆が深いと、一緒に退団する“添い遂げ”をするのが慣例で、それが最も美しい形とされているというのである。まるで「殉死」を思わせる古臭いものではないか。

 だが、突然、コンビ結成の3年後、2000年の11月、星風が宙組から異動し、特定の組に所属しない団員になったというのだ。

 そして翌年、星風は花組のトップ娘役になったそうである。

 その背景には、「真風からの陰湿ないじめに耐えかねた星風が、劇団に訴えたのです」(劇団関係者)。

 真風は、「デブだからこの人(星風)はリフト出来ない」と大勢の前でいったことがあり、実際、見せ場であるリフトをやらなくなったという。

 劇団側が真風に気を遣うのは、彼女が一番人気があり、彼女の私設ファンクラブは大量にチケットを買ってくれるから、見て見ぬふりをして、星風を異動させ、事を治めようとしたというのである。

 古色蒼然とした身分関係、いじめを見て見ぬふりをする劇団側、トップスターといわれる人間たちの我儘なふるまい。

 私は宝塚を見たことはないから、こうしたことが事実かどうか、判断する何物もないが、もし事実だとしたら、宝塚なんて存在価値はないといわざるをえない。

 #MeToo運動は、宝塚にこそ必要なのではないか。(文中敬称略)