「設楽にMCの才能があるなんて当時はわからなかったし、そもそも無名の若手芸人にMCを任せるわけがありません。若手の役回りなんて、番組で先輩芸人にイジられるのが関の山。しかし、設楽はイジられ役の“子分キャラ”ではなかったため、番組に出演してもなかなかハマらなかった。かといって、不細工キャラの日村のように分かりやすい面白さもなかったため、若手時代の設楽は“じゃないほう芸人”の座に甘んじていました」(同)

 そんな若かりし頃の設楽を表すエピソードがある。かつて、30代前半の若手だったバナナマンがダウンタウンの冠番組『リンカーン』(TBS系、05~13年放送)に出演した際、設楽は初めて本格的に絡んだ松本人志に「胡散臭くて、腹の中で悪いことを考えてそう」と評されたのだ。

「若手芸人なら、ダウンタウンのような強面の大御所と対峙すれば萎縮するのが普通です。実際に日村はそうだったし、若手のビビリっぷりを面白がるのが番組の企画意図でした。しかし、設楽はダウンタウンに対して横柄な態度を取るわけではないし、丁寧に接していたのですが、画面からは彼らに対する畏怖が伝わってこず、面白さが半減していました。つまり松本は『胡散臭い』と表現することで、当時の設楽に若手らしい子分キャラが備わっていないことを図らずも見透かしたわけです。さすがの慧眼と言うしかありません」(同)