見栄で人におごったり、無計画にまとめ買いしたり…そのお金の使い方が老後破産を招きます。「月に1万円・2万円なら」と思っていてもそれが20年、30年続くと数百万円の損失になるのです。

今回は「老後破産を招く出費」について詳しく解説します。思い当たるふしがある人は今すぐやめましょう。

NGな出費1:見栄のための消費

NGな出費の1つ目は「見栄のための消費」です。「みんなが持っているから」「この年代に見合う服装にしなければ」「ケチと思われたくない」という理由で消費をするのはやめましょう。むやみに他人に食事を奢るなどの行為も避けたいところです。

実際のところ、ご祝儀や香典など、冠婚葬祭関連は相手との関係性にも響くため、ある程度マナーに則った対応をするのは重要です。また、家族や恋人の大事なお祝いで食事をごちそうしたり、贈り物を用意したり「心を込めて使うお金」は人生の大事な出費といえます。このような特別な出費以外は、周りの目にとらわれず「自分のための出費かどうか」を基準に決めましょう。

NGな出費2:無計画な浪費

2つ目は「無計画な浪費」です。そもそも老後であろうとなかろうとどんぶり勘定でお金を使うのは好ましくありません。老後は現役時代より収入が減るため、浪費によるダメージも大きくなります。特に、退職金としてある程度まとまったお金を受け取った後は気が大きくなって浪費に走りがちなので注意してください。

NGな出費3:言われるがままの投資

3つ目は「言われるがままの投資」です。老後の生活が不安だからと、金融機関の担当者にすすめられた金融商品をよくわからずに買ってしまったものの、思ったほどの運用成果が出ずに落胆している人は一定数います。

お金を運用して増やすのが老後破産対策に有効なのは確かですが、やみくもに取り組んでも成果は出せません。最低限、投資方法やリスク、手数料を抑える方法などの基礎知識を身につけてから取り組みましょう。

守るだけだと破産する…?柔軟な資産形成で生き残るコツ

老後破産を防ぐためには「節約する」だけではなく「うまく増やす」ことも対策として考えましょう。一部のお金を「貯める」から「育てる」にシフトしてみませんか?人間、生きる限りはお金が必要ですし、たまには自分の好きなことにお金を使いたいと思うのは当然です。「生活に必要なお金」だけでなく「ゆとりをもって使えるお金」を形成できればより豊かで楽しい老後生活を送ることができます。

まずは老後の収入と支出のバランスをシミュレーションし、NISAやiDeCoなど資産形成に有利な方法でコツコツと準備を始めましょう。

文・荒井美亜(金融ライター/ファイナンシャル・プランナー)
立教大学大学院経済学研究科を修了(会計学修士)。税理士事務所、一般企業等の経理を経験して現在は金融マネー系ライターとして活動中。日本FP協会の消費者向けイベントにも講師として登壇経験あり。