◆電源コードが刺さっていなかったのに…

「2月の半ば、まさに厳寒という日に、ウィンドウエアコンの効きが悪い気がしたんです。しっかり暖まっていなくて、なんだか生温かいというか。

『まさか、電源から入ってないんじゃないか?』と明人が言うので、まさかと思いながらも電源を見ると、なんと、本当に刺さっていなかったんです。思わず、明人と『いつから刺さっていなかったんだろう……』と、顔を見合わせました」

 そこで、二人はあることに気が付きました。家にいるときはウィンドウエアコンをほとんどつけっぱなしだったハズなのに、その割には毎月の電気代が安かったのです。

「『え? これ、ずっと電源が入ってなかった、ってことはないよね?』と、二人で大あわてしました。電源が入っていなかったわけがないですよね。それなら、今まで部屋が温かかったののは何だったんでしょう。

それに、うるさいほど大きな稼働音や、何よりも、振動でHのフィギュアが明人のほうを見てくる理由の説明がつかなくなってしまうじゃないですか……。私たちは、無言で電源プラグを入れて、見なかったことにしました。次の請求から、電気代は高くなっていました」