◆急逝したミュージシャンのフィギュアたちが全員こっちを見ている?!
「安物だけに、エアコンの稼働音がまるで工事の音のようでした(笑)。『ガガガガガガガ!』だったり、突然『ブオーン!!』と音を出したりして。本当にうるさくて、それで目が覚めることがたびたびあるほどでした。よく近隣住民から苦情がこなかったな、と思います」
音の問題があるとはいえ、じゅうぶんに機能していたので重宝はしていた、とMさん。ところがある日、明人さんが恐ろしいことを言ってきたのだとか。
「私たちはとあるロックバンドの急逝したメンバー、Hが好きで、彼のフィギュアを飾っていたんです。お互い熱狂的なHのファンなので、Hのフィギュアはどんどん増えていきました。すると、明人が『Hのフィギュアが、全部、俺のほうを見ている』と言い出したんです」
当然、Hのフィギュアを動かした覚えは二人ともなかったそう。それなのに、Hのフィギュアは、確かに明人さんのほうを全部見ていたのだそうです。
「明人には、『ウィンドウエアコンの振動で、たまたま明人のほうを見ているだけだよ』と言ったんですが……私も内心、とても怖かったです。向きを変えても変えても、明人のほうをフィギュアが見ているかのように移動するんですから」
そして、これだけでは話は終わりませんでした。