この質問に対し、バカリズムさんは毎年行う自身の単独ライブの為に新ネタを7本から8本作ると。元芸人の僕からすればこの本数は意外だった。もちろんバカリズムさんほどの多忙ぶりならこの本数でもかなり苦労するだろうが、7本から8本で単独ライブの約2時間を埋めるとすると、一つのネタが平均15分前後のネタということになる。これはこれでかなり大変だ。

 ネタの時間は短くても長くても作るのが困難で、短いと端的に笑いを伝え、さらにその中でボケを展開させ、盛り上げると言うのが難しくなる。逆に長いと飽きさせない為になにをするかという部分が難しく、フリが長すぎてもダメだし、展開が無理やり過ぎても1本のネタに見えないので正直がっかりしてしまう。

 なのでスムーズに流れる展開と飽きさせないボケの数、そして概要のボケ自体が15分笑いや興味を保ち続けられるものでなくてはならない。さらにライブとなるとカメラがあるわけではないので、全てのお客さんの目線を同じように誘導しなければならないので、そのための工夫も必要となってくるのだ。なぜなら見せたいところが見せられない場合笑いは分散してしまうからだ。つまり何が言いたいかというと15分間もお客さんの興味を引き付け、そして飽きさせず、笑いを起こすというのはかなり気を使う作業で、それを7本も8本も作ると言うのは至難の業なのだ。

 なので基本的に単独ライブなどは5分から10分くらいのネタをメインとし、ライブの終盤に長めのネタをやって時間を調整するのだ。ただこの2時間というのはわかりやすく表現しただけで、本来は1時間45分くらいの長さがオーソドックスであり、オープニングやエンディング、幕間などを除くとネタ時間は1時間25分くらいなので、そこまで長いネタをやる必要もないのだが、それでもネタ数が7本から8本ということは短いネタはほとんど無いはずなので、ネタ時間が3分から4分が主流の現代において、比較的長尺のネタばかりだということは間違いない。