◆「人を喜ばせたい」の一心でイベント企画をするように
――イベント会社などで働いたことはあるんですか?
加山:イベント会社での勤務はしたことはないです。高校を卒業して、二子玉川にあった「ナムコ・ワンダーエッグ」というテーマパークのアトラクター(スタッフ)になったんです。ナムコ(のちのバンダイナムコゲームス)が運営するテーマパークで、1992年に開園して、2000年末に閉園してしまいました。
ここで働いている期間に「ゲーム雑誌が人手不足だから手伝いに来ないか?」と誘われて、雑誌のライターみたいなことをやっていました。そこで「ゲームの発売記念イベントやりたいんだけど、どうやっていいか分からない」みたいなイベントの相談をたくさん受けるようになったんです。
――そういうイベントって、イベント会社とかに依頼するものではないですか?
加山:今でこそさまざまなイベントの形がありますが、イベント会社だと内容がテンプレートに寄りがちだったんですよね。私は人が喜ぶことをとにかくやりたいというタチで、どうしたら来てくれるお客さんが喜んでくれるかだけを考えて、企画を考えていました。
今では当たり前ですが、ゲームの内容に合わせて声優さんメインのイベントやコスプレイベントを企画したり。その結果、プランナーのほうが向いてるなと思うようになりました。
――「人を喜ばせたい」という軸で動いているうちに、向いている業種に出会ったのですね。
加山:そうですね。これまで頼まれたら断れない性格のおかげでいろんな経験をさせていただく機会が多かったのですが、唯一自分がやりたくて門を叩いたのは、佐川急便の宅配の仕事だけです。宅配の仕事はつらい労働としてとらえるのではなく、「今日はどうやってこの荷物をさばいてい行こう。どうやって攻略していこう」と、ゲーム感覚でこなしていきました。
他の仕事でも言えますが、「ツライ」と思ったら本当にツラくなるだけなので、自分で楽しくする思考の置き換えを常にしていましたね。コロナ禍になって荷物が1.5倍ぐらいに増えても「うわー、はははは、やばー」とか言いながら(笑)。他のドライバーがゲッソリしてたら「佐川魂みせんかーい!」「おー!!」と周りも巻き込むように、笑顔で意図的に声がけしてました。これも対戦のチーム戦のノリって感じで。