岸和田で弁当を腹に押し込み、14時45分から漫才。滞在時間20分で再びNGKへ。見取り図が乗るタクシーの前の車両には、この日8ステだというオズワルドが乗っている。
NGKで15分の仮眠を取り、8ステ目。その後も9ステ森ノ宮、10ステ漫才劇場、11ステ岸和田、12ステ漫才劇場。この日最後のステージは19時45分だった。
「コンプリート!」盛山が清々しそうに叫ぶ。盛山はこの後、趣味のサッカーに行くのだという。
毎週、土日には何組もの漫才師がこうして大阪中を駆けずり回りながら漫才をしているのだ。寄席は、こうして大阪の街に文化として浸透していく。千鳥もかまいたちも、こういう時期を経てテレビスターになったのだ。
「5分漫才を12本やっても40分やろ。サラリーマンのほうがよっぽど働いてるわ」
かまいたち・濱家隆一の言葉である。
(文=新越谷ノリヲ)