夫が死亡した場合、夫や妻の働き方や暮らし方に応じて、遺族年金が受け取れます。しかし、遺族年金を受け取っている人が老後の年金(老齢年金)が支給される65歳になったとき、遺族年金と老齢年金の両方ともを受け取ることはできるのでしょうか?

会社員の遺族年金の基本「遺族厚生年金」

まず、会社員の残された家族の基本となる遺族年金が、厚生年金保険から支給される「遺族厚生年金」です。この遺族厚生年金は、亡くなった方が受給する予定の、または受給していた額の4分の3が支給されます。

厚生労働省は毎年「夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額」を発表していますが、これによると、2021年度の夫婦2人分の標準的な年金額は、表1の額となっています。

妻は遺族年金と自分の年金の二重取りできる?
(表1. 夫婦2人の標準的な年金額(月額))

表1のケースでは、夫の厚生年金90,346円の4分の3である6万7,760円が、遺族厚生年金として残された家族に支給されることになります。

なお、このモデルケースは40年間働いて今は引退している夫婦の例ですが、現在働いていて、厚生年金保険への加入が短い(300月(25年)未満)の場合、今までの平均年収で300月働いたとして計算した額が支給されます。

例えば、入社5年目(60月)の会社員が亡くなり、その人がもらえる予定だった厚生年金が月額1万円の場合、残された遺族に支給される遺族厚生年金は、
1万円×(3/4)×(300月/60月)=3万7,500円 となります。