◆“原作の本質”をきちんと見すえた上でどう作っていくか

 企画をたてて放送していく上で責任をとるのがプロデューサー、ドラマを形にするのが監督の役割だとするなら、「このドラマで何を伝えたいのか」は、すべてのスタッフやキャストが共有しなければならないと彼は言う。

 原作がある場合のドラマ作りに関して世間では大きな話題となっている。

「“原作の本質”をきちんと見すえた上で、生身の人間を通して観てもらうドラマにどう作っていくかが重要だと思うんです。そういうところもやはり“話し合い”が大事ですよね。話さないから誤解されたり説明が行き届かなかったりするところは大きいと思う。人間関係の問題のすべてが向き合わないことに起因しているのかもしれませんね。言いたいことを言うのは案外むずかしいことだから」

 終始、言葉を選びながらも明るい口調で話してくれた倉地さん。まずはこの先の『夫を社会的に抹殺する5つの方法 Season2』の今後が楽しみだ。

<取材・文・人物撮影/亀山早苗>

【亀山早苗】

フリーライター。著書に『くまモン力ー人を惹きつける愛と魅力の秘密』がある。男女関係、特に不倫について20年以上取材を続け、『不倫の恋で苦しむ男たち』『夫の不倫で苦しむ妻たち』『人はなぜ不倫をするのか』『復讐手帖─愛が狂気に変わるとき─』など著書多数。Twitter:@viofatalevio