美肌のためには、油分の前に“水分”をしっかり与えること

乾燥するからオイルやクリームでしっかり保湿したいと思いがちですが、今野先生によれば「肌そのものが水分不足に陥っているケースがとても多く、特にバリア機能が低下した肌は肌内部の水分がどんどん蒸発してしまっている状態。先に足りていない水分をしっかり補給しておかないと、いくら油分でフタをしてもムダになってしまいます」とのこと。

▲「ハムゾーン(こめかみ周辺、眉間から鼻、ほうれい線、あごにかけて)」のカサつきは皮脂による炎症・脂漏性湿疹の可能性が。洗顔で皮脂汚れを取り除いて、化粧水で水分を補給する形でケアしましょう

なので、洗顔したらすぐに化粧水をつけるようにしましょう。水分を補給することで肌のバリア機能の低下を防ぐ効果が期待できます。

なお、今野先生によると「化粧水は適量をとって両手で温めてから優しくなじませるように塗布し、手のひら全体で押し込む」のが正しい付け方だそう。摩擦は肌荒れの原因になるので、決してこすったり叩き込んだりしないようにしてください。

ゆらぎ肌、敏感肌に傾きがちな肌は、花粉による肌あれリスクも

花粉による肌あれはアレルゲンが肌に付着して起こる皮膚炎。ゆらぎ肌など敏感肌に傾きがちな肌は、肌表面のキメの乱れや角層のめくれ上がり等があるために、外部刺激から肌を守るバリア機能が低く、花粉のアレルゲンにより、上まぶた・頬骨周辺・あご・首などにヒリヒリしたかゆみ、赤み、乾燥などが起こりやすいそう。

そんな花粉による肌あれの予防策としては、「肌の上に膜を作って花粉をブロックするスプレーなどの花粉症対策グッズなどをうまく利用しましょう」と今野先生。なお、花粉症でない人もマスク等でなるべくアレルゲンが肌に付着しないようにすることは、肌トラブルを起こしづらくする効果を期待できます。

また、花粉により肌状態が悪くなり症状が強く出てきてしまった場合は、今野先生によれば「可能なら1カ月半はメイクせず、ノンケミカルのUVケアだけ塗って過ごすことが理想。メイクなしでは外出できないという人は、マスクして眉だけ描いて、皮膚の薄い目元のメイクは極力控えましょう」とのこと。チップの汚れやラメの入ったメイク製品なども肌を刺激して肌トラブルを誘発する恐れがあるそうです。

|症がある肌、ゆらぎ肌、アトピー肌もケアが可能な最新のクリニックメニュー

セルフケアでなかなか効果が得られない場合は、皮膚科・クリニックに相談してみましょう。今野先生が敏感でデリケート、トラブルがちな肌の人にこそおすすめしたいと語るのが「ウィンセル導入」。針や電気などの施術と異なり、非接触で安心して受けられる最新の美容機器となります。

▲今野先生が院長を務める石井クリニック(東京・青山)での「ウィンセル導入」は1回:¥9,900~16,500(税込、料金は導入剤により変わります)

今野先生によれば「世界最小の水粒子を浴びることで、角層の水分量を上げながら顔に塗布した美容成分を非接触で導入することができ、ダウンタイムもなく、約35℃の温かさで心地よく、20分浴びるだけと忙しい方にもおすすめ。美容成分は肌悩みに合わせて組み合わせたカクテル処方ができます。乾燥が気になるなら、セラミド。ニキビ跡や赤みをケアしたいならトラネキサム酸&中性ビタミンCのカクテル。この組み合わせはシミや肝斑治療にも有効です。トラネキサム酸には抗炎症作用もあるので、肌のキメが整って毛穴も締まります」とのこと。

また、「ウィンセル導入」と同時に「ビタミンC注射」<筋肉注射¥1,100(税込)、静脈注射¥1,320(税込)>や抗炎症効果が期待できる「プラセンタ注射」<¥1.100(税込)>をすると相乗効果が期待できるそうです。また、ニキビはセルフケアだと悪化する恐れがあるので、「ニキビの膿だし/圧出(アクネトリートメント)」<¥14,300(税込)>などもクリニックにおまかせした方が賢明でしょう。

ちょっとした炎症でも放っておかず、正しいスキンケアをすることで美肌を保ちつつ、それでもなかなか治らない時には、気軽に皮膚科・クリニックなどにカウンセリングを受けに行く習慣をつけたいですね。<取材協力:今野みどり先生(石井クリニック(東京・青山) 院長、M&M スキンケアクリニック(東京・神保町) 副院長) 取材・文:中尾慧里 撮影:岡本卓大 ヘアメイク:NANA スタイリスト:田中ゆかり モデル:秦麻里子>

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