冬から春に向かって寒暖差のはげしい毎日でお肌が不安定になっていませんか? メイクののりは悪いし、皮むけしたりスキンケアがしみたり…。そこで今回は、美容皮膚科医の今野みどり先生(以下、今野先生)に、冬から春の肌荒れおよび花粉症対策に効く正しいスキンケアを伺いました。

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寒く乾燥した時期から春に向けて、肌トラブルが増える原因

なぜ、冬から春の季節の変わり目は肌トラブルが増えてくるのでしょうか? 今野先生によれば「気温・湿度の低下や寒暖差によって肌がダメージを受け、肌表面のキメの乱れや角層のめくりあがり等が発生することで肌のバリア機能が低下した結果、肌代謝が乱れ、肌トラブルが起こります。 肌トラブルのそれぞれの原因は、肌のつっぱりは乾燥、赤みは炎症、くすみは血流低下などによる場合が多く、ケアを怠ると肌老化が進んでしまうんですよ」とのこと。

▲今野みどり先生<形成外科専門医。皮膚腫瘍外科指導専門医。医学博士。1989年川崎医科大学卒業、2001年M&Mスキンケアクリニック副院長、2014年には日本で最初の美容皮膚科である石井クリニックの院長に着任。患者が抱えるそれぞれの肌悩みに合わせた処方と心に寄り添う治療に定評がある>

また、この時期じゃなくても1年中ゆらぎ肌、敏感に傾きがちという人も増えている昨今について、今野先生は「不規則な生活習慣やストレスなどが原因で、皮脂バランスが崩れているのかもしれません。まずは、しっかり栄養を摂る、水分を摂る、睡眠をとるという3つを心がけてください。そして正しいスキンケアをすることですね」とアドバイスしてくれました。

今野先生に聞く「やってはいけない」NGスキンケア

では、ついやりがちなNGなスキンケアにはどんなものがあるのでしょうか? 今野先生は下記4つを挙げてくれました。

(1)シートマスクのやりすぎ

具体的にクリニックに相談に来る肌トラブルでいちばん多いのが“ニキビ”だそうです。「乾燥対策としてなのかもしれませんが、毎日、朝と夜にシートマスクをしていてニキビができている人。若い世代は朝も夜もやる必要はありません。シートマスクをする際は、肌にのせておく時間も守りましょう」と今野先生。バリア機能が低下した肌にはシートマスクが刺激になることもあり、肌表面の角層がふやけるなど、かえって肌状態が悪くなることもあると言います。

(2) 朝、洗顔しない

朝に洗顔しないのも肌トラブルの原因の1つと今野先生。「寝起きの肌は、寝ている間の汚れや皮脂が酸化したものが付着していますので、きちんと洗顔料で洗いましょう」とのこと。また、どうしても乾燥が気になるなら、「保湿成分配合の洗顔料を使用してTゾーンだけなどの部分洗いをする形でOK」とのことです。

(3)熱めのお湯やシャワーで洗顔する

「お風呂に入った際のシャワーで顔も洗うのは間違いです。熱いお湯は肌に必要なうるおいまで流してしまい乾燥を促進するし、冷たいと皮脂や汚れが落ちません。30度くらいのぬるま湯で洗いましょう」と今野先生。洗顔の際には水温にも注意です。

(4)カサついていたら、すぐにオイルやクリームを塗る

肌のカサつきは乾燥によるものではなく、皮脂による炎症・脂漏性湿疹の場合も。その際にオイルやクリームを塗ると悪化するリスクがあります。今野先生によれば「こめかみ周辺と眉間から鼻、ほうれい線、あごにかけてはカサついていても、基本的に油分アイテムを塗布しないようにしましょう」とのことです。

このように乾燥や炎症がある肌に過剰なケアをしてしまうと、逆に肌トラブルを増やしてしまうことがあるため、まずはスキンケアの基本である水分補給をきちんとすることを心がけることが大切だそう。目のまわりや頬のあたりなどに乾燥を感じたら、顔全体をおおうシートマスクより、化粧水の重ね付けをしましょう。