ところで、現代はヘアヌードを掲載しなくなったのはいいが、特集に取り上げる物がなく、OBとしては歯がゆい気がしているのだが、唯一、トヨタに対する批判記事に見るものが多い。

 今週も、企業の大御所たちに豊田章男批判をやらせているのだが、これがなかなか手厳しくて読ませる。

 ソニー出身でグーグル日本法人社長も務めた辻野晃一郎(66)はこう指摘する。

「これからの自動車産業では、ソフトウェアやクラウドコンピューティング、人工知能などが基幹技術になっていくし、その分野ではテスラが圧倒的です。同じ自動車というカテゴリーですが、テスラの作るEVとトヨタの車はまったくの別物といっていいでしょう。

 豊田氏はたしかにグローバルで戦える数少ない日本人経営者には違いありません。しかし、どこまでいってもガソリン車時代の人です。豊田氏もそこに気づいているから、社長の座を譲ったのでしょうが、会長として院政を敷いているように見るのはやや残念です」

 元カルビー社長の中田康雄(80歳)はこう話している。

「これまでの日本の優良企業では『顧客第一』が目標でした。その前提となる『品質第一』を追求し、顧客満足につなげていくという組織風土でした。しかし、この20年ほどで『株主第一』という新自由主義的な発想が浸透し、品質よりも『売り上げと利益が第一』となってしまった。トヨタの問題もこれが根っこにあると思います」

 スカイラーク創業者のひとりである横川きわむ(86)はさらに手厳しい。

 長年トヨタ車を愛用してきたが、今年1月に納車されたレクサスに乗って、トヨタの異変を感じとったというのだ。

「71年にコロナを買って以来、トヨタ車しか乗ってきていません。しかし、今回のレクサスは明らかに顧客目線ではないと感じました。私は、’10年のリコール問題で矢面に立つ姿を見て、豊田章男さんのことを日本でナンバーワンの経営者だと思ってきました。しかし、そこが彼のピークだったのかもしれません。

 新しいレクサスの運転席はたしかによくできています。しかし、後部座席が大変乗りにくく、顧客目線を欠いていると感じました。レクサスは社用車として使われることも多い車種です。ならば、後部座席にお客さんや経営者が乗るはずですが、彼らの乗り心地について考えられていないのです。つまり、これは乗る人のために作られた車ではない。トヨタが儲けるために作られた車だと感じました」

 こうした声は“裸の王様”になっているように見える豊田章男に届くのだろうか。