◆正論で押さえつけず、対話を重ねることの大切さ

 とはいえ、働き方改革が悪いわけではない。馬車馬のように働きたい従業員もいれば、定時で帰りたい従業員も、その中間の従業員もいることを理解したうえで、議論を重ねて少しでもより良い働き方を模索するしかない。議論なき働き方改革は既存の負担を違う誰かに押し付けることに他ならない。それはとりわけ優秀で優しい人にしわ寄せが行きやすい。

『不適切にもほどがある!』を見ていると、正論で押さえつけるのではなく、対話を重ねていくことが現代社会で働く人の役目のように感じた。衝突しながらも自分の意見をさらけ出して戦う『不適切にもほどがある!』の登場人物たちの奮闘に今後も期待したい。

<文/望月悠木>

【望月悠木】

フリーライター。主に政治経済、社会問題に関する記事の執筆を手がける。今、知るべき情報を多くの人に届けるため、日々活動を続けている。Twitter:@mochizukiyuuki