勝手に褒められて、勝手に叩かれるアスリートたち

 ネットの世界で誹謗中傷がなくならないのは、マスコミがオリンピック選手など、活躍した人を聖人君子扱いして、崇めすぎることも関係しているのではないだろうか。

 人間である以上、いつも誰に対しても完璧であることは不可能だし、そもそも、生活のすべてを競技に捧げている人だから、一般的な生活を送っている人から見たら変なところや抜けているところ、理解しがたいところだってあるはずだ。

 それなのに、メディアは彼を「聖人君子だ」「完璧だ」と喧伝する。素直な人はそれを信じ込んでしまい、裏切るような何かが起きると、その反動で「ウラの顔があった」とばかりにバッシングを始めてしまう。勝手に褒められて、勝手に叩かれて、アスリートたちは本当にお気の毒だ。

 羽生のファンは、彼のスケーティングが好きなはず。離婚しようが、元カノと何があろうが、関係ないのではないか。アスリートをおもちゃにするのは、もうやめようと全メディアに言いたいが、言ったところでやめないこともわかっている。大衆はスーパースターも大好きだけれど、スーパースターの転落はもっと好きなのだ。羽生は凄腕の広報担当者を雇い、マスコミ対応をお任せして、自分自身のメンタルを守っていただきたい。