3日に放送された『IPPONグランプリ』(フジテレビ系)の第29回大会。週刊誌報道を受けて活動休止中のダウンタウン・松本人志に代わり、バカリズムがチェアマン代理を務めることが報道されて大きな話題を呼んだ当番組だが、終わってみれば大きな混乱や違和感もなく、ロバート・秋山竜次の優勝で大団円を迎えた。

 大役を仰せつかったバカリズムも普段通りの飄々とした振る舞いで、ときにお題を補足してみせたり、出場者の回答を解説したりしながらチェアマンの役割を滞りなく果たしていたように見えた。

 おそらくバカリズムは今回「チェアマン代理」という仕事を受けるにあたって、その役回りを研究したはずだ。前回、松本がチェアマンを務めた第28回の『IPPON』と見比べてみると、発言の量やタイミングは驚くほど一致していた。

『IPPON』におけるチェアマンは、そもそも「チェアマン」などという権威染みたネーミングが付いているものの、番組の進行に必要不可欠な立場というわけではない。進行と実況はベテランの伊藤利尋アナウンサーが担っているし、採点は別ブロックの出演メンバーが行っている。チェアマンとスタジオとの絡みはオープニングとブロックの幕間に限られており、『IPPON』の勝敗には一切、影響を及ぼさない。