前回のレビューで、昭和の象徴として今回の阿部サダヲのキャラクターを動かすなら、それは時代を背負えてないなと感じたと書きましたが、今回の阿部サダヲは別に昭和じゃなくても、こういう考え方の人っているよな、というところにとどまっていた。この感じで、オガワが声がデカいだけの、本来の意味でのリベラルな良識人として現代の固定概念に対峙していくという構図であれば、楽しく見られそうだと思います。時代描写はあくまで小ネタと辻褄だけにしておいて、人格やコミュニケーションには反映させないほうがよさそうだし、ドラマ自体もそういう方向に行きたそうな気もするし。

 そして、そういう単なる良識的な異物として阿部サダヲを使うなら、クドカンのもっとも得手とするところでしょう。楽しめそうでよかった。犬島渚って名前の仲里依紗、どこかでマイクで人を殴ったりするのかな。

(文=どらまっ子AKIちゃん)