■時代を背負わないほうがよさそう

 今回はオガワが令和で気になっちゃった女性・渚さん(仲里依紗)のオシゴトの話。乳幼児の面倒を見ながらフルタイムで働くテレビプロデューサーの苦労が、業界あるあるを散りばめながら語られました。

「働き方改革」という錦の御旗がはらむ矛盾や、末端がしわ寄せを食う構造的な問題を薄くデフォルメしつつ、そこにオガワが正論をぶつけていくという対立の構図があって、それとは別に渚さんの元夫を「正論の人」という肩書きで登場させることで、いかにもオガワが無茶を言っているように見せるという演出はミスリードではあるけれど、効果的でした。

 また、オガワが騒動に介入する動機も今回は「好きになった女の人のため」という明確なものだった上、「その人が困ってるから」だったので、ちゃんと必然性がありました。

 前回は「ハラスメント」がテーマでしたが、オガワが介入していく動機がなく、また問題を抱える側にも明確な被害者が存在しなかったために、ミュージカルシーンも「ただ関連ワードを歌ってるだけ」みたいな感じだったんです。それを歌い飛ばそう(笑い飛ばそう的な意味での)という爽快感がなかったんですが、今回は楽しかった。やりたいことが成功してると思いました。