クドカンの最新作となるTBS金曜ドラマ『不適切にもほどがある!』第2話。盟友である阿部サダヲを主演に迎えて自由自在かと思いきや、先週の第1回は、いかにも窮屈な出来となっていました。

 令和にタイムスリップしてしまった主人公のオガワ(阿部)は不必要に不適切な行動を繰り返し、それに対して露骨な不快感を示す令和人と示さない令和人が共存している気持ち悪さに苛まれて物語が入ってこなかったのですが、今回はわりとスッキリ見ることができました。

 その理由は明らかで、オガワが全然不適切じゃなくなっているのです。例えばバスの中で不意に大声を出してしまって注目を集めたら、ちゃんとすぐに謝るし、携帯が鳴ればバスを降りてから会話を始める。第1話のオガワさんだったら「何見てんだよ、うるせえな!」という場面ですが、学習能力が高いというか急に空気が読めるやつになったというか、品のある人になってる。わずかに、コンビニの前で路上喫煙しているシーンだけがその名残を残す。

 今考えれば「昭和と令和のコントラストを描く」という作品のコンセプトと「タイムスリップものですよ」という設定を説明するために過剰に下品な振る舞いをさせる必要があったのだと思うし、それをあっさり捨てちゃうクドカンの脚本家としてのいい加減さが、好い方向に作用したように思います。振り返りましょう。