プロが語る「へそくり」のメリット

(写真=PIXTA)

そもそも「へそくり」には、プロから見たときに以下のようなメリットがあります。

心理的な安心感を得られる

まずは「心理的な安心感を得られる」です。これは早い話、アンケート結果にもあった「残されるリスク」や「離婚に対するリスク」への対策になります。

特に、不仲なほどに後者のリスクは何歳になっても高いままとも言えますから、少しでも多くへそくりをして、いざというときのために備えたいですよね。

ちなみに、夫が亡くなり妻が残された場合、基本的には夫の老齢厚生年金の3/4程度が「遺族厚生年金」としてもらえますから、足しにはなるはずです。

精神的な優越感や憂さ晴らしができる

次に「精神的な優越感や憂さ晴らしができる」です。これは特に、不仲夫婦ほどに感じられるメリットといえるでしょう。

一般的には、豪華なランチやショッピングなどの浪費に向かうことも多いのですが、へそくりのような「ナイショの貯金」にも、同様の効果があるといえます。また、不仲であるほど、その金額を大きくしないと不満は解消されません。

夫の浪費から家計を守ることができる

最後に「パートナーの浪費から家計を守ることができる」です。

これは夫婦仲の良しあしに関係なく感じられるメリットである一方、浪費は不仲にも直結しやすいため、むしろ不仲になるのを防衛できるメリットといえます。

ただしこの場合は、「まさかどこかに隠してるんじゃ……」と、へそくりを疑う人もいますから、しっかり隠すことが大切です。

プロが語る「へそくり」のデメリット

(写真=PIXTA)

逆に「へそくり」には、プロの目から見たデメリットもあります。

少額ずつしか貯められず、運用しにくい

まずは「少額ずつしか貯められず、運用もしにくい」です。へそくりでの最優先事項は、どうしても「パートナーにバレないこと」になります。

バレないよう少額ずつ実行するしかなく、また、運用報告書などの書類が届いたりするとバレるリスクが高まります。

「効率性」という観点では決して良いとは言えないのが「へそくり」なのです。夫婦仲が良いなら、堂々と運用したほうがお金の増えるスピードは速まるかもしれませんよ。

パートナーの前では使えない

次に「パートナーの前では使えない」です。へそくりは、政治で言うところの「裏金」に相当するような表に出せないお金。

もし使ってしまえば、当然のように「その金はどうしたんだ?」と出所を問われるでしょう。そして少しならばごまかせても、大きな金額にとなれば不信感が生まれてしまうかもしれません。離婚や死別などで夫と別れる日まで陰で貯め続けなければいけません。

不仲を誘発しやすい

最後に「不仲を誘発しやすい」です。これは不倫に例えると分かりやすいでしょう。

不倫だって、たまに実行する分にはバレないでいられる可能性もありますが、継続するほどにボロが出やすく、次第に気も緩んでしまうもの。

それだけに、最低限の防衛の意味を込めて、バレたときの「言い訳(理由)」はしっかり準備しておきましょう。

「へそくり」であなたの未来は大丈夫?

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最後に、肝心な点をお伝えします。筆者としては「へそくり」を否定も肯定もするつもりはありません。ただ肝心なのは「それで本当にあなたの未来が大丈夫なのかどうか」という点です。

例えば前述の調査で、へそくりの理由に「長生きや離婚」が上がっていましたが、へそくりがあれば、本当にそういった未来に対して対処が可能なのか、一度、考えてみませんか。

もちろん、「無いよりはあったほうがいい」のは分かりますし、なかには相応の額を貯めておられる方もいるようです。しかし、現実的に「想定する未来に対して足りるかどうか」という点で見ると、へそくりで十分という方は、かなり限られているのが実情のように思えます。

現に、先ほどのアンケート結果を見ても、約70%の女性は500万円にも満たない額しか貯めておられません。緊急資金としては、非常に「か細い命綱」でしょう。それだけに「へそくりがあるから大丈夫」といえるはずはなく、別途しっかりと人生設計をすることが重要です。

夫婦仲が良ければ「へそくり」の必要性はなく、しかも、堂々と貯めることができます。もし可能であれば、「夫婦仲の改善」に意識を傾けたほうが貯金の効率は良いでしょう。

文・婚活FP山本(山本FPオフィス代表)/DAILY ANDS

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