「へそくりが多い」=「離婚の可能性が高い」!?

(写真=PIXTA)

さらに、先ほど「不仲夫婦のほう方が、へそくり額が多い」との結果がありましたが、これはつまり「離婚の可能性」を意識していると言えそうです。不仲夫婦のコメントを紹介します。

▽不仲夫婦のコメント
【男性】

  • 女房はひとりじゃ生活できない。我慢してでも一緒にいた方がお互いにいいはず(69歳)
  • 相手も小言いいながらも、離婚は言ってこない。相続とかにメリットがないからではないか(63歳) 【女性】
  • 親としての責任は終わったし、へそくりも2000万円あるから離婚したい(66歳)
  • 実際問題、放り出したら夫はどうなるか。何もできない人だし。これから何とか折り合いを見つけていかないといけない(73歳) 不仲夫婦でも「妻は夫の約2倍へそくりしている」という点からも、夫のほうが離婚に対して楽観視しているようです。実際にどうかはともかく、男性は万が一、離婚することになっても一人で死ぬまで稼いでいけると思い込んでいるのかもしれません。

    同調査の最後には離婚に関する回答もあるのですが、それによると、半数程度の方は離婚を考えたことがある一方、回答者の約90%は結婚生活を30年以上続けており、実際には「離婚しない」人がほとんどです。

    へそくりは、あくまで「保険」なのかもしれませんね。

    リアルなシニア夫婦の男性心理は?

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筆者は、婚活FPとしてさまざまなご夫婦の相談にのってきましたが、とりわけ「シニア不仲夫婦の夫側の心理」については、毎回、実に興味深く聞いてきました。一部をご紹介しましょう。

「なんだかんだ言いながら、きっと妻は離婚なんか言いませんよ。だってこのまま同居していれば、私のメシを作るだけで、家賃もかからず生活できるんですから。もちろん、離婚するなら財産の半分は渡しますが、それだと共倒れになるだけです。そのくらい考えていますよ」

これを聞いた時は、こちらの旦那さまは奥さまをナメているなと感じましたが、確かに家計診断をすると、離婚すれば共倒れする可能性が高いと分かりました。とはいえ、逆に奥さまはこの結果を知らないからこそ、暴走して離婚を言い出す可能性があるのですが……。

ほかに、こんな意見もありました。

「離婚ですか?確かにその可能性もありますが、そうなっても大丈夫なように家計の貯金以上に個人資産をへそくりしています。それに妻はずっとパートでしたし、ロクに稼げませんから、まぁ大丈夫ですよ。もっとも、離婚になったらなったで、次を探すだけですけどね」

これも、奥さまが聞いたら激怒するでしょうね……。不仲夫婦になったからこその心理なのか、このような心理だから不仲になったのか。少なくとも、悲しいことにこれが不仲になった夫の心理状態の一つです。