◆平安時代から使われている「かわいい」という言葉

 日本では、「かわいい」という言葉が古くから使われてきました(*1)。

 平安時代に清少納言が書いた『枕草子』における「うつくしきもの。瓜に描きたるちごの顔(かわいらしいもの。瓜に描いた幼い子どもの顔)」という記述が「かわいい」の源流ともいわれ、日本人には小さくてかわいいもの、人、動物を愛おしく思ってきた文化的背景があります。

 また、いまや日本語の「かわいい(kawaii)」はsushiやmangaと並んで世界中で使われています。日本のポップカルチャーは“Kawaii Culture”などと称され、カラフルなカフェや服、人気のアニメキャラクターなどを求める海外からの観光客も大勢います。

 2009年には、外務省も日本のポップカルチャーを海外に発信するべく、3名の女性を「ポップカルチャー発信使(通称:カワイイ大使)」と命名し、国を挙げて「かわいい」を日本の文化産業として世界に広めていこうとした経緯もあります(*2)。