◆自然派の「ペット論」あるある
ところがそのペットへの愛が、再び怪しげな世界を引き寄せるのだ。
「最近、クマの駆除に対して抗議をする森熊協会が何かと話題になるじゃないですか。恥ずかしながら、当時あの団体も応援していたんですよね。だからクマのニュースを目にすると、生き物に対する昔の思想が、次々思い出されてしまって。私の黒歴史です」
かつて所属していた陰謀論を軸とする自然派コミュニティでは、環境問題の延長として動物(ペット含む)に関してもよく論議されていた。そしてこんな主張に、心から同意していたそうだ。※カッコ内は著者の意見です。
・野生動物の駆除(くじょ)は人間の都合でしかなく、自然に反している。
(野生動物の被害者になっても、同じことが言えるのだろうか?)
・ペットのワクチンも人間同様に、製薬会社のビジネスでしかない。狂犬病ワクチンの義務は日本だけだからおかしい。
(それなら義務のない国でイヌとの暮らしを楽しんでいただければ……)
・飼い主は、ペットにもホメオパシーなど自然な療法を選択すべきだ。
(代替だろうが標準だろうが動物がどちらを望んでいるかはわからないが、ヒトと暮らしている時点で少なくとも自然ではないので、自然に近づけることが幸せなのか?という疑問)
・イヌやネコもヴィーガン生活にすれば、肉の消費量を減らして環境の負荷を減らせる。
(ヴィーガンフードなるものが存在しているが、少なくとも肉食であるイヌやネコをヴィーガンペットにすることは基本的に無理があると思う)
・ペットが癌(がん)になるのは、超加工食品であるドライフードを食べているから。
(ウェットフードならいいのか? という話ではなく、新鮮な肉や野菜を調理すべきというお話のようです。つづけられればそりゃいいけど、かぎられた環境&経済力の人しか飼えなくなりそうですね)