◆熟年離婚後に夢だった留学へ

円満に見える夫婦
 熟年離婚の失敗例を聞くと、孤独や依存症への転落を想像し恐ろしくなりますが、逆に熟年離婚をし、ハッピーになった成功例について教えていただきました。

「63歳の夫と60歳の妻が離婚されたケースは、まさに“円満”と言えると思います。離婚までには1年半かけてお二人のカウンセリングも行いながら話し合い、婚姻生活30年を振り返り、もう1回関係を再構築するのは無理なのかも含め、いろいろトライされていました。

 お子さんへ報告されたときも『2人ともやりきったの?』と聞かれたそうですが、カウンセリングに二人で通っていることを伝えたところ、子どもも納得してくれたと言います。お互い心から感謝を伝え離婚し、奥様は離婚後に、夢だった海外留学を叶えたそうです。まさに熟年離婚でご自分の人生を見つけたケースです」

 熟年夫婦における心の問題は、数十年積もった不満に夫婦で向き合うことだけでなく、自分とも向き合い、精神的に強くなる必要があります。

 また子どもがいくつであろうと、夫婦の問題に子どもを巻き込んで、味方につけようとしたり、分かってもらおうとしたりしてはいけないのだなと、改めて理解することができました。

 熟年離婚を推奨したいわけではありませんが、「いつだって人は変われる」という忘れがちな事実に気づき、より良い人生を歩むキッカケになったら嬉しいです。

<取材・文/おおしまりえ>

【おおしまりえ】

水商売やプロ雀士、素人モデルなどで、のべ1万人以上の男性を接客。現在は雑食系恋愛ジャーナリストとして年間100本以上恋愛コラムを執筆中。Twitter:@utena0518