◆明暗を分けた子役の態度
年齢の割に堂々とした少女の態度に、英恵さんはつい気になってしまったようです。
「マネージャーの男性が食事後のトレーもすべて片づけても『ありがとう』も言わないで仏頂面なんですよ。せめて自分が食べた食器のトレーくらい返せばいいのにな……って思いました。
彼女はその後、『しくじり先生 俺みたいになるな!!』(テレビ朝日系)に出演していたんですよね。たしかに芸能では実力があったので、周りの大人が面倒を見すぎたのかな感じましたね」
その彼女とは反対に、意外な対応で好感度が上がった子役もいたそうです。
「局内にはいくつもエレベーターがあるので、出演者と一緒になることも多いんです。ある時、元子役俳優と同じエレベーターに乗ったんです。そうしたらエレベーターの行先を聞かれてボタンも押してくれた。
マネージャーも同伴せず、一人で行動していてエレベーターでも台本を観ていたんですよ。それも凄く自然な感じで。彼はその後、海外で大きな賞を受賞していたんです。同じ子役出身でも、謙虚かどうかでその後は違うのかなと実感しましたね」
芸能人がテレビの向こう側だけではなく、自らSNSで発信したりと身近になってきました。だからこそ、人間性も重視されるようになってきているのかもしれません。
<文/池守りぜね イラスト/朝倉千夏>