稲葉会長は会見で、周囲からの評価として「身近な人たちからは『新しい形の工夫があり面白かった』という意見もあれば、財界人の知り合いからは『ちっとも面白くなかった』という人もいた」と告白。その上で「視聴率は一つの指標ではあるが、全ての評価ではない」「大みそかの生活パターンが活動的になり、年越しコンサートに行ったり友人と過ごしたりして、お茶の間で生で見る割合が減っているのでは」と、歴代最低視聴率となった理由を推測した。
さらに、韓国系グループ枠の増加などを踏まえて「紅白は年末の国民的な番組だといわれてきたが、そういう枠にとどまらない番組になってきている。今回のテーマも『ボーダレス』ということで、世界に向けた番組になっていくのでは」と語った。この言葉を聞く限り、K-POP枠を増やしたことについては失敗ととらえておらず、枠の継続や拡大を見据えている印象だ。
NHKとしては、視聴率は最低だったとしても、懸案だった若者層を取り込みができればK-POP枠を増加させた意味は十分にあったという認識なのかもしれない。ただ、出場ゼロとなった旧ジャニーズ系グループは「紅白の裏」でライブ配信を実施し、Snow Manは最大同時接続者数133万人超の日本記録を達成しており、若者層は『紅白』に見切りをつけて配信に流れたのではとの指摘もある。
国際的な年越し番組を目指して、NHKの「K-POP」推しは今後も続くのか。あまりに外に目を向けすぎて、国内の視聴者に見限られるようなことにならなければいいが……。