2018年2月期は増益となるが2019年2月期は減益の予想
高島屋が4月に発表した2018年2月期決算は、前年同期比で営業収益は+2.8%増、営業利益は+3.9%、当期純利益は+13.4%で、増収増益を達成した。
しかしながら2019年3月期の予想は、営業収益は同+1.3%増、営業利益は同▲13.6%減、当期純利益は同▲30.1%減と、増収ではあるものの10%を超える減益を予想している。
2019年3月期は日本橋店の開業に向けての投資がかさむ他、タイ・バンコクの「サイアム高島屋」開業に関連する経費が計上されるなど、将来に向けたコストが増大し減益を見込んでいる。「2019年度以降は回復軌道に乗せ、成長を加速させてまいります」と決算短信にある通り、本格的な成長は2019年度からとの計画だ。
絶好調とも言うべき大阪店の存在はあるものの、高島屋グループ全体として見れば、大阪店の繁盛のみでは収益の押し上げ効果は限定的だ。今後の高島屋の成長は大阪店の繁盛に加え、日本橋店の成功が鍵を握っている。
なお、名古屋のJR東海高島屋は名古屋市内のナンバーワン百貨店の座にあるものの、JR東海の子会社(持ち株シェア59.2%)であり、高島屋の連結子会社ではない。
高島屋の株価は1200円が天井に
高島屋の株価を見ると、1200円付近が天井になっていることが分かる。2013年、2015年、2017年のいずれも1200円付近の壁に跳ね返されている。
高島屋の株価は6月に900円付近でスタートしており、予想PERは約17倍だ。東証1部全銘柄の予想PERは約15倍で推移しており、今後の株価上昇を果たすためには、収益力の向上が必要不可欠だ。
株価1200円超えには、収益増に直結する日本橋高島屋S.C.の成功が鍵を握っていると考えてよいだろう。
ただし逆に800円付近が2013年以降の底となっており、日本橋高島屋S.C.が期待通りの成果を上げない場合、株価は800円を割れこむ可能性も有している。
高島屋の真価が問われる日本橋高島屋S.C.
高島屋大阪店は2011年に全館リニューアルを行っているものの、足元の活況は南海難波駅直結という立地に負う所も多いと言える。
自ら巨額の投資を行い、八重洲寄りの日本橋界隈の風景を一変させた高島屋。日本橋の高島屋4店は総称して日本橋高島屋S.C.と呼ばれているが、9月の日本橋高島屋S.C.完全オープンを控え、その成否は高島屋グループとしての真価が問われる。
日本橋高島屋S.C.にも顧客が殺到し、日本橋と大阪店での二本柱の体制となり高島屋は新たな成長軌道に乗ることができるのか。それとも日本橋への投資が過大との結果になり、グループ全体の収益力にマイナスの影響を及ぼすことになるのか
9月の高島屋新館のオープンに向け、今後高島屋及びその株価への注目が高まることになりそうだ。
文・ZUU online 編集部/ZUU online
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