日本を代表する百貨店・高島屋 <8233> は、9月に東京日本橋の新館オープンを控えている。日本橋の街の風景を一変させた一大プロジェクトが着地する。

一方で大阪店は南海難波駅直結という立地を背景に、グループ内でナンバーワンの売上を計上し活況が続いている。

高島屋を巡る風景は東京と大阪で違って見えるが、完全オープン後の日本橋店の成否が、株価にも大きな影響を与える可能性が高いと言えそうだ。

一変した東京の日本橋高島屋周辺の風景

高島屋は日本橋店に隣接する新館を、9月にオープンすると発表した。既に高島屋日本橋店の周辺は、以前と比べ風景が一変している。日本橋店は本館、新館、東館、ウオッチメゾンの4館体制で、日本橋高島屋S.C.(ショッピングセンター)として、生まれ変わる。

ただし新館などへの投資が膨らみ、2019年2月期は対前年同期比で営業利益▲15%の減益を見込んでおり、高島屋の日本橋プロジェクトに対し採算面から不安視する声も一部では上がっている。

9月の新館オープンにより日本橋の4館が完全オープンとなり、今秋以降に高島屋はその真価を問われることになる。

インバウンド消費で活況が続く大阪高島屋

2018年2月期決算にて、高島屋グループで日本一の売上高を計上したのは大阪難波にある大阪店だ。

難波は関西国際空港(関空)に到着した訪日客が最初に降り立つことの多い街で、高島屋大阪店は関空の玄関口とも言うべき南海難波駅直結の店舗として知られている。大阪は現在、訪日外国人観光客が殺到しており、特に難波周辺は外国人観光客で常に混雑している状態だ。そして高島屋大阪店は南海難波駅直結という抜群の立地条件もあり、活況を呈している。

高島屋大阪店の免税カウンターに長蛇の列が連なる姿は、インバウンド消費そしてその恩恵を同店が受ける姿を如実に表していると言ってよいだろう。

当期の同店売上高も前年同期比で3月+5.4%、4月+10.3%と好調を維持しており、高島屋大阪店は当期もグループナンバーワンの売上高の座を維持している。