『D.P. -脱走兵追跡官-』視聴者を引き込む分かりやすくスピーティーな展開

このドラマは45分×6話とかなりスピーディーな展開だ。

全6話のうち4話まではストーリーは明快に進んでいく。

各脱走兵の顛末とD.P.たちが彼らの脱走の背景を知り、任務の中で何を感じていくのかも分かりやすい。

ジュンホは心情に訴え、ホヨルは業務に必要なものを建設的に説明していく対比も見事である。

『D.P. -脱走兵追跡官-』重たくなりすぎずのめり込める軽快さ

冒頭から重たい雰囲気で語ってしまったが、このドラマはテーマの割に現代的でラフな作品の印象を受けた。

その理由は、D.P.は基本ペアで行動するのだが、チョン・へイン演じるアン・ジュンホの相方となるハン・ホヨルのいい意味でのユルさが功を奏している。

ホヨルを演じたク・ギョファン(38)は、日本でも人気を誇った韓国ゾンビ映画『新感染半島 ファイナル・ステージ』でアウトローな隊長を演じた俳優。

この映画でも、一見ラフな男だが腹にイチモツある鬼才の役どころで、チャラいのか怖いのか底が見えない感じが非常にインパクトを残した。

『D.P. -脱走兵追跡官-』の第一印象も全く同じで、当初ジュンホの敵か味方がわからないところがこちらの心拍数を高めるが、生真面目で傷つきやすく真っ向勝負しか知らないジュンホに対し、世渡り上手で適当さもあり、さらにいたずらっ子の明るさを持つホヨルは良い意味でジュンホの行動抑制剤と精神的支えになっている。

ジュンホにとって最高のバディなのである。

『D.P. -脱走兵追跡官-』視聴者の心を掴む控えめだが確かなブロマンス

バディを組んだ2人のやりとりは他の作品よりは少々物足りないものの「ブロマンス」好きにはしっかり刺さる。いちゃいちゃはしないしケンカもしない。

でも、お調子者の先輩ホヨルに次第に影響され、堅物なジュンホがちょっと冗談を言ったり、捜査のために柄にもないことをしたりとすっかり翻弄されているところが絶妙にくすぐるのだ。韓国ドラマで好まれる「男同士のケミストリー」がしっかり存在している。