主電源への深刻なダメージとともに注目すべきは、使用済み核燃料プールであると文春は報じている。

「この二つのプールから計四百二十一リットルの放射性物質に汚染された水が漏れ出し、建物内に溢れたのだ。しかし溢水に伴い、プールの冷却ポンプも一時的に停止していた。現在、水位は保たれ、核燃料の冷却も継続しており、『外部への影響はない』と北陸電力は主張する。だが溢れた水は、当然、人体に影響するものだ。
さらに空気中の放射線量量を測定するモニタリングポストの故障もあった」(文春)

 元京都大学原子炉実験所助教授の工学者・小出裕章がこう話している。

「モニタリングポストは住民避難のために必要なものです。今回は放射能を外部に出す事態にまではなっていませんが、もしそうした重大な事故があった場合、線量のデータがなければ、どう逃がしていいかも判断できないことになる。本来であれば、絶対に壊れてはいけない設備です」

 同程度の余震が再び襲うことになればどうなるか。

 先の鈴木教授はこう語っている。

「大変心配される局面です。設備のあちこちに破損があり弱っているところに、もう一度大きな余震があった場合に果たしてどうなるのか。今は機能している残った外部電源をはじめ、設備がそれに耐えられると言い切れるでしょうか」

 原発を次々に再稼働させるというバカなことは即刻やめろと、今回の能登地震は我々に教えてくれている。