インド人のポピュラーな名字11選!
インド人の名前において、名字は少し複雑です。
というのも、インドは多民族社会であるため、民族によっては名字を持たなかったり、個人名と名字の並びに変動があったりするからです。欧米のミドルネームにあたる部分に父の名前を置いたり、名前の一部に故郷やカーストの名前を入れることもあります。
インド独自の身分制度であるカーストは、現代では差別の観念から廃止されていますが、未だに根強く残る階級制度です。カーストが分かってしまう名字もあるので、インドの中には、名字を名乗りたがらない人も多く存在します。
また、職業名を入れることもあり、名字を見れば先祖の職業が分かるというものも多いです。インドは基本的に世襲制で職業を決めますが、複数の兄弟全員が親の職業を継ぐことはできないでしょう。そのため、名字とまったく関係ない職業に就く人やその子孫も存在しています。
Agarwal(アガワル)
Agarwal(アガワル)は、マッディアプラデシュやウッタルプラデシュという地方に多い名字。もっとも一般的な名字といっても過言ではないでしょう。
ジャイナ教徒の名字とされ、先祖は貿易商であったとされています。
Reddy(レディ)
Reddy(レディ)は、カンナダ語の名字で、南インドのカルナータカ州に多いです。カースト制度の中でも上位の一族が持っていた名字で、行政もしくは農業に携わっていた一族の名字とされています。
Bakshi(バクシ)
Bakshi(バクシ)は、ヒンディー語とプンジャビ語の名字です。ペルシャ語の「bakhshi(会計士)」を語源とした言葉で、イスラム教の軍隊に給料を配布していた公務員の肩書がそのまま名字になったものです。
Chowdhury(チャウデゥリー)
Chowdhury(チャウデゥリー)は、元々は支配階級の一族にしか許されない名字でした。しかし、今は宗教や階級の制限がなく、誰でも使える名字として人気があります。
Balakrishnan(バラクリシュナン)
Balakrishnan(バラクリシュナン)は、南インドでは一般的な名字。サンスクリット語で「子クシュリナ」を意味する「blakrsna」が由来です。
Varma(ヴァルマ)
北インドに多い名字の1つ、Varma(ヴァルマ)。元々は先住民族のラジバンシが持っていた名字です。
「保護」という意味があり、語源はサンスクリット語の「armor(防御)」とされています。
Datta(ダッタ)
Datta(ダッタ)はベンガル語とプンジャビ語の苗字。「贈り物」という意味のある言葉で、サンスクリット語を語源としています。
プラナではヴァイシャというカーストに関連する名字であり、アッサムとベンガルではカヤスタというカーーストの出身者の名字とされています。
Amin(アミン)
Amin(アミン)は、アラビア語の名字で「信頼できる」という意味があり、イスラム教徒が持つ名字です。
Chakrabarti(チャクラバルティ)
Chakrabarti(チャクラバルティ)はベンガル語の名字ですが、サンスクリット語で「皇帝」を表す「akravart(皇帝)」という言葉に由来しています。
Lal(ラル)
Lal(ラル)は、ヒンディー語の名字で、「最愛の」という意味があります。サンスクリット語で「愛」を表す「lala」という単語が由来になっていて、クリシュナ神の別名でもあります。
Gandhi(ガンディー)
Gandhi(ガンディー)といえば、インド独立運動の父として功績を残したマハトマ・カンディーが有名ですね。
ガンディーは雑貨商・香水商人という職業を表します。語源となった「ガンダ」という単語は、グジャラート州では薬剤師や食料商人も意味する言葉です。