引受基準の程度以外の保険料を決定付ける要素にも着目

前述のように、引受基準と保険料は相関関係にある。引受基準が厳しい通常の医療保険、告知項目が限定的な「限定告知型医療保険」または引受基準が緩和された「引受基準緩和型医療保険」、そして告知を必要としない「無選択型医療保険」のように、引受基準が緩和されるほど、契約者に給付金が支払われるリスクが高くなるため、一般的に保険料は高くなる。

保険料を決定付ける要素は、引受基準の程度だけではない。どの保険会社のどの医療保険も、必要最小限の保障を備えた基本プランと、がんや三大疾病に対する手厚い保障や先進医療等に対する保障特約を任意で付加する二重構造で設計されている。持病や手術・入院歴がある人が医療保険に加入できたとしても、保険料はどうしても高くなる。医療保険による幅広い最低限の備えができれば十分であると考えるならば、特約による手厚い保障を付加しないことで、それ以上の保険料の加算を避けることはできる。がんや三大疾病への不安が強ければ、多少の保険料のアップを前提に特約による手厚い保障を優先すればよい。

保険料と保障内容のどちらを優先させるかについては、自分自身の健康状態と将来的に発生する医療費総額をトレードオフして、自分にとってベストな選択を探ってほしい。

保険タイプにより給付金の支払限度や支払開始時期などが違ってくる

“持病があっても入れる医療保険”のうち、「限定告知型/引受基準緩和型医療保険」の1入院あたりの支払限度や通算限度の設定は、一般的な医療保険と大差ない。一方、「無選択型医療保険」では、1入院あたりの支払限度や通算限度が制限されている。

契約日から1年以内に支払われる給付金についても、両タイプの医療保険には違いがある。「限定告知型/引受基準緩和型医療保険」の給付金は、契約日から1年以内は半額の支払いとなる。「無選択型医療保険」の責任開始日は契約日から90日後であるため、責任開始日以前に入院したり手術を受けたりした場合は保障対象外になるが、責任開始日以降であれば給付金は満額支払われる。

以上の点についても考慮に入れた上で、限定的に告知して持病の悪化や再発などにある程度対応できるようにするか、告知なしを選んで広く浅い保障で病気に備えるか、どちらのタイプの医療保険が自分に合っているのかを判断してほしい。

文・ZUU online編集部/ZUU online

【こちらの記事もおすすめ】
女性を超える関心度!?「オトコの美活」意識調査結果
住宅ローン控除(減税)をフル活用するための基本の「き」
実はハイリスクなライフイベントTOP5。転職、住宅購入、結婚……
2018年マンションの「駆け込み」需要が起きるってホント?
じぶん時間がもっと増える「ちょこっと家事代行」3選